ひつじの

リハビリをしながら生活しています。

20160401 GRAPEVINE@赤坂ブリッツ

行ってきた。とても良かった。完全にネタバレ。

 

3月後半から非常に調子が悪くて当初は断念しようと思っていたのだが、気分転換だな、と思って行ってきました。

出かけるには非常にエネルギーが要るし、終わってみたときにトータルで考えてどんなもんかなあと躊躇う気持ちもあったけれど、結果的には大満足でした。本当に素晴らしかった。あれでツアー初日だから、GRAPEVINEはどうかしていると思う。 

 

特に前で見たいとか、アニキ前しか無理とか、見る場所にこだわりはないので、そこそこの番号だったけどまったりで会場へ。にもかかわらず、たまたまPA横が空いていたのでラッキーだった。寄りかかるものがないと2時間はきつい。腰が痛い。BBAである。

 

最近の曲の中でも、EVIL EYEは

危機があるから俺は産まれるぜ まことしやかな説

Kinky girl さあ恋は生まれるか

吊り橋にでも出掛けよう 奈良県

この部分は完璧すぎると思っている。安い恋愛を皮肉っぽく、素直に8ビートな楽曲に載せる歌詞としては本当に完璧、ああロックってこれだわ!と配信直後は滾ったものであります。

演奏するのが楽しい曲だとも思うし、1曲目で場の雰囲気を上げるにはもってこいです。Bメロのコーラスは、え?そこ歌うの?とびっくりしちゃうし、Aメロで上がりきった直後にああいうコーラスを入れちゃうあたり、バインがいまいち売れない理由な気がするけど、まあ良い。

続くHESO、これはアルバムの中で、個人的にはイマイチなのだけど、何ともライブ映えする曲ですね。前ツアー時のEsq.に通じるものがある。ライブ受けする曲。とにかく田中氏がリフを引き倒していた。次のsabbathでもI must be highでもそう。よく歌いながら弾けるなあと感心しちゃう。っていうかsabbathじゃん。sabbathです。ワッと会場が沸きますね。金やんめっちゃかっこいいよお。

ここまで4曲で、今まで以上に、ギタリスト2人の役割分担がかなりはっきりしたような印象を受けた。アニキはどんどんリードと言い切れないギタリストになっていく。だがそれがいい。田中氏も田中氏で、この人はめちゃくちゃギター上手いからね、ボーカルなんだけど、ああやっぱり基本はギタリストなんだなって。

ここからガラッと空気が変わって、East of the sun、Scarlet Aと歌ものな曲が続きます。East~は2月にリキッドルームで聴いたんだけども、その時は余りにガタついていたので、さすがに難しい曲なのだなと思った。この日はきっちり綺麗に仕上げたなーと思った。余計なことをしない、というか。CDの段階でかなりきっちり作りこまれていて隙が無いから、手癖のごまかしが効かない。ので、特に歌担当な田中氏の負担はかなり、だと思う。いやーでもコード進行がオサレだよねえ。

続いたHeavenlyの照明がとても素敵でな。緑に近い青というか・・・これこそ私の抱くバインをイメージした色!といった感じ。激しくキラキラするわけでもなく、差し込むような光で。アルコールを飲んでもないのに、心地よく酔ってしまった。こういう曲でこそアニキのギターが冴えるよね。一言一言を置いていくようなボーカルも素晴らしいよ。一応言うが、「たしかめるぜーイェイイェイイェイ」と同じ人です。

余りに圧巻だったので誰一人拍手すらできず、KINGDOM COMEに突入。あのピンと張りつめた空気って、やっぱりライブじゃないと味わえないので、ほんと、もうみんなライブ行ったら良いよ!ぼーっと突っ立ってても誰も地蔵とか揶揄しないよ!みんな優しいよ!

REW(いまだに読み方わからない)は、あーこれどのアルバムだっけなー?deracineかfrom~かそのあたりか?と。思うくらいにアルバムも増えたのですね。イサオ助教授のポロンとしたキーボードが好きな曲なんだけど、若干音小さめだったかも。何気に登板の多い風待ちのあとは、SPF。これもEast~同様に、優しく優しく。口からCDってレベルでCD通りなので、ライブの妙はあんまりないかもしれないね。凄くキャッチ―で好きなんだけど、100点にはなるけど120点は出せない曲って感じです。と、さらっと言ってしまえば簡単なのだが、あんなに構成きっちりした曲をライブで再現するのって相当狂ってるからね。

Faithfulはとにかく、田中氏の歌心に尽きる。尽きる。メロディのキャッチ―さも、このくらいが丁度良いです、私には。ブリッジ?Cメロ?のあの部分くらいで丁度良い。後半に向けてじわじわ盛り上がっていくのにも、生で聞くと、より鳥肌ものです。

続いたBABELは、(一応アルバムタイトルにもあることだし)アルバムの中核をなす1曲だなと再認識。飲み込まれそう。金属っぽいギターの音が独特でちょっと異色かなって思ったんだけど、今までのどの曲にも似ていないので、私は大好き。歌詞も、カオスを前にしてどこまでも傍観者って雰囲気に空しくなっちゃう。そういう所が好き。「アルバムでどの曲が好き?」と母に聞いたところ、真っ先にこの曲が挙がっていた。母恐るべし。あと、イサオ氏の高速マラカスは見どころである。で、余韻を残したまま鏡に突入。この曲大好きだからさあ!もう!もう!内心大興奮ですが、身動きできない。こんなに複雑な曲を、みなさんどんな心持ちで演奏するのだろう。

 転換。Golden Dawn。何かのインタビューで、四つ打ち曲を作ろうと思って・・・なる文章を読み、どこが四つ打ちやねん!と突っ込んだ覚えがあるのだけど、ライブでじっくり聞くと、確かに骨組みは四つ打ちのそれだったので笑った。リフ力強いなあ。ONIも良いよなあ。すっごいカッコいいんだけど、90年代デビューバンドの雰囲気が捨てられない、ちょいダサなところとか最高よな、どうしてあんな間奏を挟んでしまうのか、すごくツボな1曲なので嬉しかった。タイトルが出てこないSo,。ああこれすごい好きなのに・・・カップリングの・・・えーっと・・・となったのは私だけではあるまいな。痛々しい女をdisる曲。今の、太い音で昔の曲が聴けるのはとても幸せなことです。昔の曲って、良いんだけど、声もそうだし、音がペラペラなんだよね。近年のバインさんたちは本当に、ようやっと曲に追いついてきた感がします。20代で作った曲が、40を超えてようやく生きてきた感じ。坂の途中とか、毎回期待するんだけれど、来ないねえ・・・思い出して、良い曲たくさんあるのよ・・・

一転して、爽やかお父さん、ハートウォーミングな、真昼の子供たち。この曲はかなりの頻度で演奏しているので、安定感ぱねえ。UNOMIからTOKAKUはアルバムと順番を変えずに、〆の2曲でした。この流れはやっぱり崩せないよね、と思った。この辺りになると、私の腰も爆発しそうでして、ドスドスと響くバスドラが体力を奪っていく。曲に集中することがかなりしんどくなってきていたんだけど、TOKAKUの明るいイントロを聞いて振り絞る。いわゆる終末努力というやつだね。歌詞が説教くさくてあんまり好きな曲じゃないけど、明るい気分にさせてくれるので良しじゃ。本編終了です。

手が痛くなるから、アンコールの拍手はしない。なんかもう、私ってそういう人間。

アンコールはScare→ジュブナイル→KOLの3曲。アンコールでジュブナイルは嬉しいな。一番バインらしい曲を選べと言われたら、私は間違いなくこれを推す。イントロからアウトロまで、らしさで埋め尽くされていて、追想している構成の歌詞に少し苦笑いするような。ライブでは、もう余裕ですよって感じで軽くやってのけている。やっぱりCDとはまた違った響き方をするものです。ラストのKOLはきっと、最後に兄貴のギターソロ見たいだろ!?という、バンド側の心遣いであろう、そう受け取りました。っていうか、ちゃんとステージ真ん中に移動して、ビジュアル的な見せ場ってこの曲くらいなもんですよ。あとは微動だにしないどころか、しゃがんでエフェクター弄ってるから顔も見えない。ひろよしちゃん・・・

 

という感じで、初日を終えたのですが、一緒に見に行った旦那さんはこれがツアー初日とは思ってなかったようで、今日初日だよ、と教えると、ものすごくびっくりしていた。完成度がやべえと言っていた。二人して興奮しまくりだったので、ライブ後にご飯を食べている間もお互い感想が止まらなかった。

で、これを書いている現在、浜松窓枠のライブも見てきているわけですが、少し曲順も変わったり、新しくセットリストに加わった曲もあり(もしかしたら日替わり曲かも)、マイナーチェンジは続いている様子。

ツアー最終日のライブもばっちり押さえてあるので、比較検討したいところです。