ひつじの

リハビリをしながら生活しています。

不規則を治し、不規則に酔いしれる。

私は心が弱いので、ちょっとしたことがあるとすぐに生理周期が乱れてしまう。

あの人と会わなきゃいけない、この日までにこれを終わらせなきゃ、そういう日々の、ごくごく普通のちょっとしたことで体のバランスが乱れてしまう。

一人で勝手に乱れている分には問題なかったのだけど、結婚したので家族計画は考えなければならない。

不定期とはいえ仕事もしているし、子どもは産みたいが、育てたいとは思わない。今は。金銭的にも精神的にも。

そんなこんなでやってきたよ、産婦人科

完全に避妊目的なので、多少の後ろめたさがある。

あんなに高額なお金を出してでも子どもが欲しい人、反面、私のような人間もいる。

何に謝ってんだか分からないが、とりあえず心の中で「ごめんなさい」と呟いてみる。

予約をしたにも関わらず2時間近く待って、通された診察室。

先生はとても穏やかで優しいおじいちゃんだった。

丁寧に説明を受け、内診と採血をすることに。

過去に健診は受けているので『あの台』の屈辱感は分かる。緊張する。

アワアワと焦ってしまって看護師さんに「まだ乗らなくていいですよー」と言われる始末。

「力抜いてくださいね」と優しく声をかけられて、息を吐いてしまえば、さっきまでの緊張なんて大したことではない。

私なんて誰にでも股を開く女だったのだ。一応過去形だ。こんなの慣れっこだろう。

壁にかけられたバレリーナの絵画をじっと見つめながら、開けっぴろげな格好に少し好くなってきたところであっさりと終了。

ピルに関する治療は保険外診療なので、計1万円以上を払う。

車で来てしまったから、3時間の駐車料金と合わせて、結構な出費でございました。

次は一か月後くらいかなあ。

 

家に帰っても、ざわざわが落ち着かない。

一人で居るには、今の家は広すぎる。早く猫が飼いたい。

 

夕方、downyTHE NOVEMBERSのライブのために外出する。

新代田FEVERは昔、1回だけ行ったことがある。PERIDOTSのライブだった。一人だった。

あの時とは逆方向の電車に乗って、旦那さんと二人で会場に向かう。

整理番号は結構早いほうかな?と思っていたけど、会場に入れば人だらけで、ドリンク交換もままならず、壁に寄りかかりたい(足腰が弱い)ために、後方隅っこで大人しく待つ。

ライブが始まってもどんどんとお客さんが詰め寄せる。「半歩前に」とスタッフさんがコミケのようなアナウンスをしている。

ステージなんて何にも見えないから、あとは床を見つめてゆらゆらしていた。

 

言うまでもなく、downyはリズム隊が鬼だ。

「曦ヲ見ヨ!」(曦の字の変換大変だった)なんて、何拍子なのかさっぱり分からない。変拍子の嵐。

どういう呼吸でカウントを合わせているのか謎だ。

猿の手柄」「Underground」などライブでは定番なのであろう曲もあり、確実に的確に客の耳を掴んでいるようだった。

私の心の中はじっとり湿っていく。

  1.  

downyは、10代で見ておきたかったなあ。

そしたら、この中途半端な捻くれがさらに捻くれて、丁度360度回ったところでねじ切れて、真っ直ぐな人間になれたかもしれない。

一人教室の隅で、「他の人になんか分かるわけがない」とヘッドフォンでdownyを聞くような高校生だった。最高に痛い。

中途半端な地方都市でライブをするわけもなく、泊まりで遠征できる金もなく、ただただ東京が羨ましかった。

私が時間やお金の自由を手に入れたとき、バンドは既に休止していた。

今は、あんなに羨ましいと思った東京に、ある程度の時間やお金の自由さと、心の不自由さを抱えて暮らしている。